情報化時代の今は転職しようと思えば、転職本やインターネットで転職ノウハウが苦労なく入手出来ます。しかし職務経歴書の書き方一つをとってみても、あなたは納得して腹落ちしていますか?疑問点はないでしょうか?そこに書かれている常識は必ずしも正しくはないという話を元採用担当者の立場からしましょう。
職務経歴書は数秒で判断される?
よく書かれていることですが間違いです。
採用担当者にもよりますが、少なくとも私はこのようなことはしませんでした。
例外としてはハローワークなどの直接応募で送られてきた履歴書・職務経歴書のような場合です。
応募書類の数が膨大であるため、ある程度の年齢で足切りをすることはありました。
そうしないと直接応募分の職務経歴書を読むことができないからです。
転職エージェント推薦の候補者については基本的にはきちんと職務経歴書を読めています。
転職エージェント側である程度絞っているため、とんでもなく質の低い職務経歴書はありませんでした。
転職エージェントの仕事ですから当たり前なのですが。
直接応募で書類選考を突破することの難しい理由は「どこの誰だかわからない方」の職務経歴書は採用担当者は積極的には読まないということにあります。
エージェントが面談して適任者を選んでいるのとは全然違います。
書類選考に関しては「どの転職方法からの応募なのか?」ということが意外にも重要なのです。
エージェントと採用担当者とで信頼関係があれば、推薦してきた候補者の職務経歴書はきちんと読みます。
実際に面接で聞きたいことも思い浮かべながら。
時には働いている姿を思い浮かべながら。
なので書類選考は数秒で判断されるというのは直接応募の場合に限られます。
転職エージェント推薦の場合には当てはまりません。
全ての書類選考ではなく、一部に対してのものがいつの間にか拡散される間に誇張されてしまったのだと思います。
自己PRが重要?
未経験分野への転職では今までのコアスキルよりもこれからの意欲が重視されるからです。
そうでないならば、職務経歴書に自己PRはいりません。
その代わりにあなたにしか出来ない【コアスキル】を職務経歴書の最初にきちんと書きましょう。
自己PRとコアスキルとは似ているようですが違います。
自己PRは数字で現せないもの。
それに対してコアスキルは定量的に表現できるものです。
自己PRは作文のようなものですので、採用担当者にとって貴重な時間を割いて読む価値はないということがはっきりしています。
コアスキルは【何が出来るか?】を具体的に書いたものですので、採用担当者にとってはとても参考になりますし、職務経歴を読む前に概要を知ることができます。
コアスキル次第でその後の職務経歴を読まれるかが決まると言っても良いです。
意欲・熱意を語るべき?
職務経歴書については、意欲や熱意よりはあなたの持っているコアスキルが書かれていれば必要十分です。
そもそも職務経歴書は客観的なデータに基づき作成しなければいけません。
私見などは入る余地はないのです。
もちろんこれにも例外はあります。
人とよく関わる看護師、医師、保育士さんなどはあなたの人柄が出ていないと面接までいけないでしょう。
ですが普通は面接で人柄を見るのです。
職務経歴書の役目はあなたが「いかに出来る人か?」を淡々と記述することにあります。
もちろんこれにもテクニックがあります。
読ませてなんぼですから、読みやすい表形式にするとか、箇条書きにするとか。
これらは枝葉の話に過ぎません。
重要なのはもちろん中身・内容です。
年表形式で時系列であなたの職務経歴を濃い内容で書くことがなによりも大切なことです。
採用担当者は応募してきた人のスキルをまずは知りたいのです。
その為には読みやすく、なおかつ、あなたの経歴が網羅されている必要があります。
さらに言えば求人ごとに求められる要件は違います。
あなたの経歴の中でボリュームを増やす必要があればそうしましょう。
逆に求人にとっては不要と思われるスキルはさらっと書くぐらいで大丈夫です。
職務経歴書はあなただけではどうしても独りよがりになりがちです。
そんな時には転職のプロである転職エージェントに職務経歴書を添削してもらうことをおすすめします。
私は採用担当者であると同時にその前は転職活動をしていました。
とてもよいコンサルタントに出会うことが出来、私の職務経歴書は全面的に書き直しになりました。
コンサルタントのOKが出てからは応募、面接を何度か繰り返して転職することに成功しました。
転職活動は何よりも転職理由が明確になっている必要があります。
それさえクリアすれば転職エージェントにアドバイスをどんどん求めるべきです。
求人紹介してもらう準備段階でも転職エージェントは利用価値のあるものなのです。