
ブラック企業に応募するのが、こわい人「転職初心者ということもあり、求人応募の際にブラック企業かどうか見分けることができずに困っている。最低限、確認すべき項目だけでも知りたいな。」
こういった疑問に、採用担当の筆者がお答えします。
企業に応募する際に避けて通れないのが、企業のチェックです。応募する際にいわゆるブラック企業がある程度わかれば、無駄な工数を使わずに済みますね。そのポイントは何でしょうか?
転職は人生の大きな転機です。せっかく新しい道に進もうとしているのに、もしもブラック企業を選んでしまったら、その後のキャリアに大きな傷がついてしまうかもしれません。そうならないためにも、応募前の企業調査は非常に重要です。
先ほど、こんなツイートをしました。
転職活動でやっていけないのは、ブラック企業に転職すること。チェック項目は4つあるが、時間がない場合は①会社の評判・口コミ・経営状況②求人が年中出ていないか? だけでも確認すべき。内定承諾前には、詳細まで確認しておこう。
— CowBoy | 代表取締役&採用担当 (@cowboy19620626) March 16, 2024
転職活動でやっていけないのは、ブラック企業に転職すること。チェック項目は4つあるが、時間がない場合は①会社の評判・口コミ・経営状況②求人が年中出ていないか? だけでも確認すべき。内定承諾前には、詳細まで確認しておこう。
- ブラック企業に応募しないで済む、2つの具体的な方法がわかる。
- 応募前に時間がなくても、最低限チェックすべき重要項目がわかる。
- 採用担当者の視点から、ブラック企業を見抜く方法と対策を学べる。
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 採用担当経験、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
記事構成は、以下目次のとおりです。
では、一つずつ解説します。
ブラック企業に応募しないで済む方法とは?
ブラック企業に応募せずにすめば、転職活動のリスクを減らすことができます。
内定承諾前に気づけばよいのですが、効率的とは言えません。
せめて求人応募前に、以下の2点だけは調査しましょう。
- 口コミサイト・会社の経営状況の確認
- 求人票の「常に募集している」といった怪しいサインの確認
この2点を徹底するだけで、あなたはブラック企業への応募を大幅に減らすことができます。特に転職初心者にとっては、この「事前リサーチ」が成功への鍵となります。
まずは、最も手軽で信頼性の高い「第三者の意見」をリサーチする方法から見ていきましょう。匿名性の高い情報源ですが、その企業の「実態」を反映している場合が多いです。
口コミサイト・会社の経営状況の確認
企業が公開している情報だけでは、その実態を把握するのは困難です。会社の体質や、働く環境は、実際に働いている人たちの声や客観的な経営状況から見えてきます。
この章では、企業の「内側(口コミ)」と「土台(経営状況)」をどのようにチェックするかを解説します。
口コミサイトの利用で「ブラック度」を簡単に測る
会社の評判を調べるには、口コミサイトを確認するのが最も手軽です。匿名性の高い情報源ですが、その企業の「生の声」が反映されているため、ブラック企業を見抜く強力なツールとなります。
しかし、口コミサイトの情報は玉石混交です。一部の不満の声に惑わされず、本当に危険なサインを見極めるための視点が必要になります。
ネガティブな口コミに「共通点」を探す

口コミサイトを見ると、どの会社にも不満が書かれていて、何を信じたらいいのか分からなくなります。どうやって見分けたらいいですか?

口コミサイトは、全体的な傾向を見るのが大切です。残業時間、パワハラ気質、評価制度など、複数の口コミで同じ問題が指摘されているかを見てください。それが会社全体の問題である可能性が高いです。
残業時間・人間関係・評価制度など、複数の口コミで同じ問題が指摘されている場合、それは会社全体の問題である可能性が高いです。個人の感情的な不満ではなく、客観的な事実に基づいた共通点を探しましょう。
主要な口コミサイトの特徴と活用法
口コミサイトに登録する必要はありますが、ほとんどの企業が掲載されています。オープンワークや転職会議など色々口コミサイトはありますが、口コミ数が多く充実しているのは 転職会議だと思います。
評判の悪い企業は、本当に辛らつな口コミが書かれています。求人応募前にチェックすることで、ブラック企業への応募は避けられます。ブラック企業は、有名になり応募者が集まらない現象が起こっています。情報弱者には、ならないようにしましょう。
【ブラック企業に転職しないために】応募・内定承諾前に4項目を調査
会社の経営状況から倒産リスクを回避する
口コミで働く環境をチェックしたら、次はその企業の経営状況を確認しましょう。どんなに良い環境でも、会社が倒産してしまっては元も子もありません。
永遠に安定している企業はありませんが、その会社が毎年きちんと利益を出しているかも大事なポイントです。最低でも内定承諾前までには、決算情報やIR情報を確認しておいてください。
経営状況の確認は難しそうに聞こえますが、実はポイントを押さえれば簡単です。特に、「この会社は今後も成長していくのか」という将来性を見抜く視点を持ちましょう。
決算情報で最低限チェックすべき項目

決算書は難しくて読めません。どこを見れば、会社の安全性がわかるのでしょうか?難解な用語は避けたいです。

心配いりません。まずは、売上高と経常利益の過去数年間の推移を見てください。これが継続的に伸びているか、安定しているかが重要です。自己資本比率も確認できると、財務の安定性がより正確に分かります。
難解な決算書を読み込む必要はありません。まずは、売上高と経常利益の過去数年間の推移を見てください。これが継続的に伸びているか、安定しているかが重要です。また、自己資本比率が高い会社は、財務的に安定していると判断できます。
業界地図や四季報を活用し、企業の安定性を判断する
業界研究は、将来的にニーズがあるかどうかをリサーチするのに最適です。例えば、AI関連のIT業界であれば、将来性があります。逆に、シュリンクする業界もあります。
業界内での企業の立ち位置や、過去数年間の業績推移を比較することで、「この会社が今後も成長していく見込みがあるか」を客観的に判断できるようになります。上場企業であれば、IR情報(投資家向け情報)も非常に参考になります。
【2025年版】転職活動の疑問解決!注目業界トップ10と避けるべき業界を徹底解説
ブラック企業に応募しないために、求人票を確認
口コミや経営状況の調査と並行して、あなた自身が最初に目にする「求人票」にもブラック企業を見抜くヒントが隠されています。
求人票をよく見ると、応募しないほうがよい企業がわかります。口コミサイトとあわせて確認してください。
特に注意すべき点は、常に募集が出ているかどうかです。このサインは、その企業が抱える根深い問題を暗示していることが非常に多いのです。求人票の「隠れたメッセージ」を読み解くことが重要です。
常に募集している求人は「ハイリスク」のサイン
転職サイトの使い方としては、求人リサーチに徹することが大事です。
転職サイトのビジネスモデルを理解した使い方とは?【おすすめ】
企業は常に人材を求めていますが、その「求め方」に企業の体質が表れます。最もわかりやすいブラック企業のサインは、「いつも求人が出ている」ことです。なぜ、通常の企業は採用が充足すれば求人を閉じるのに、この企業は年中募集し続けているのでしょうか?
離職率が高い企業を見抜く視点

ずっと募集しているのは、事業拡大で人手が足りないからだと思っていました。本当に危険なのですか?

残念ながら、多くの場合は退職する従業員が多く、離職率が高いことが想定されるからです。通常の企業は期間を区切って募集を終えます。年中募集は、人が辞め続けている証拠だと認識してください。
退職する従業員が多く、離職率が高い企業は、常に求人を出し続けます。特に、同じ部署や職種の求人が何度も更新されている場合は要注意です。入社してもすぐに辞めてしまうような、過酷な労働環境や人間関係の問題が潜んでいる可能性があります。
求人票の日付が古いことの危険性
求人票の日付にも注目してください。求人票の日付が古いということは、「応募者がほとんどいない」か「従業員の入れ替わりがはげしい」ということをあらわしています。同じ求人票を長期間出している企業の倫理観も、問われます。通常の企業でしたら、期間を区切って募集はやめるからです。
スカウトメールや求人票の「華美な表現」に注意
転職サイトのスカウトは、ダイレクトメールと同じです。職務経歴を真剣に見て送っているとは思えない内容のスカウトは、無視して下さい。
特に危険なのは、実態に見合わない「過度に魅力的な表現」や、やたらと急かすようなメッセージです。求人票に書かれている「キラキラした言葉」の裏側にあるリスクを理解しましょう。
過剰な好条件や漠然とした仕事内容は要注意

「未経験で月収50万円保証」といった求人は、魅力的ですが、なぜだか怪しいと感じてしまいます。この感覚は正しいのでしょうか?

その感覚は正しいです。特に「楽して稼げる」といった過度に魅力的な表現には注意が必要です。華美な言葉で、実態から目を逸らさせようとしている可能性があります。同業他社と比較して、異常な好条件ではないかチェックしてください。
求人票の内容も、本当か疑わしい場合が多いです。特に「楽して稼げる」「未経験で月収50万」といった過度に魅力的な表現には注意が必要です。仕事内容が抽象的で、具体的な業務が書かれていない場合も、入社後に想像と違う仕事をさせられるリスクがあります。
転職エージェント経由の求人も油断しない
「エージェントが紹介してくれたから安心」と油断してはいけません。エージェントもビジネスである以上、企業からの要望に応えようとします。エージェントを介しても、必ず自分自身で口コミサイトや経営状況を確認するダブルチェックを怠らないようにしましょう。
エージェントは内情をよく知っている場合もありますが、最終的に転職先を決めるのはあなた自身です。責任をもって企業調査を行いましょう。
まとめ:応募前の最終チェックリスト
ここで、これまでの話を総括し、ブラック企業への応募を避けるための最終チェックリストを提示します。これらは、採用担当者として多くの求職者を見てきた経験に基づいています。
- 口コミ・財務状況の確認 転職会議・会社四季報・業界地図を確認する。ネガティブな口コミの「共通点」を探す。
- 求人票の確認 常に募集が出ていないか、スカウトメールの内容が安易ではないかなど、あきらかに怪しい箇所を見つける。
- 給与・待遇の確認 同業他社と比較して、極端に高すぎたり低すぎたりしないかチェックする。
- 仕事内容の具体性 業務内容が抽象的でなく、具体的な役割が明記されているか確認する。
実は、企業側も応募者がどの程度自社を調べているかをチェックしています。上記のような事前調査をしっかり行っていることは、企業への志望度の高さ、そして「リスク管理ができる人材」であることの証明にも繋がります。
このチェックリストを実行するだけでも、ブラック企業への応募は避けられます。無駄な時間を使わず、あなたのキャリアを築ける企業を見つけていきましょう。
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