
職務経歴書の書き方で、悩んでいる人「キャリアの棚卸しをして、職務経歴書を作成している。経験を活かした転職よりも、未経験分野に挑戦したい。キャリアの棚卸しをやっても、職務経歴書がうまく書けず困っている。ほかに何か手段はないのだろうか?」
こういった疑問に、採用担当の筆者がお答えします。
転職活動で重要なのは、良質な職務経歴書を書くこと。
職務経歴書を書く前に、今までのキャリアを整理するのが王道です。いわゆる「キャリアの棚卸し」です。キャリアが豊富な方はそれで問題ないですが、未経験転職したい場合が知っておいて役に立つ方法を「採用担当の筆者」が、徹底解説します。
「キャリアの棚卸し」は、今までの職務経歴をリストアップしたものです。経験を活かした転職に、適しています。
今ではプライベートが重視されてきていますので、転職についても考え方が変わって来ています。職務経歴書を書くまでの手順として、「キャリア・アンカー」から始める方が良い結果をもたらす場合も多いです。なぜならば人間は仕事だけでは、生きられませんから。
【採用担当が解説】キャリアの棚卸しで注意すべき3つのポイント
さきほど、こんなツイートをしました。
職務経歴書を書く前に、普通はキャリアの棚卸しをすると思う。もちろん、それは転職の手順として王道だが、未経験転職の場合は、キャリアがゴールに対して遠すぎる場合がある。そんなときはキャリア・アンカーを用いると良い。先にゴールを決めて、足りない資源を見える化する手法。…
— CowBoy | 代表取締役&採用担当 (@cowboy19620626) December 2, 2025
職務経歴書を書く前に、普通はキャリアの棚卸しをすると思う。もちろん、それは転職の手順として王道だが、未経験転職の場合は、キャリアがゴールに対して遠すぎる場合がある。そんなときはキャリア・アンカーを用いると良い。先にゴールを決めて、足りない資源を見える化する手法。…
- 職務経歴書をキャリア・アンカーから書く手順がわかる。
- キャリア・アンカーとキャリアの棚卸しの違いがわかる。
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 現役採用担当、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
記事構成は、以下目次のとおりです。
では、一つずつ解説します。
キャリア・アンカーとは何か?

そもそも、キャリア・アンカーとは何でしょうか?
面倒な方は、最後だけ読んでください。
Wikipediaによると、以下のように定義されています。
キャリア・アンカーとは、アメリカ合衆国の組織心理学者エドガー・シャインによって提唱された概念。
ある人物が自らのキャリアを選択する際に、最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のこと、また、周囲が変化しても自己の内面で不動なもののことをいう。
転職する際に求人を選択すると思うんですが、知らず知らずのうちに、あなた自身が大事にしている価値観で選んでいるんです。
「キャリア・アンカー」は周囲の環境が変化しても変わることのないあなたが大事にしている価値観や欲求のことです。
例えば「転勤をせずに働きたい」と考えることも、キャリア・アンカーの一つであるといえます。
「仕事よりもプライベートが第一」というのもそうですね。
つまり「範囲としても仕事に限らず、人生に適用できる」ものです。
キャリア・アンカーは、「どんな人生を生きたいか?」と同じこと。
まずライフプランを考え、仕事の位置づけを決め、キャリアデザインをするのがこれからの主流です。
「どういう仕事をしたいか?」よりも、「どう生きていきたいか?」を軸とする考え方です。
仕事目線で考えてしまいますと、当然今ある仕事で考えることになります。
ですが、今は生成AIを中心とする第四次産業革命の真っ只中にいることもあり、将来なくなるかもしれない仕事は、かなりあります。
「どう生きていきたいか?」を考えておくと、今勤めている職業がもしなくなったとしても、あなたの価値観は変わりません。
ですので、比較的容易に軌道修正が可能です。
「キャリア・アンカー」という概念は、そのリスクを埋めるのに役立つ考え方です。
キャリア・アンカーとキャリアの棚卸しとの違いは?

それに対して「キャリアの棚卸しは、過去に行ってきたことをリストアップし、整理する」作業です。
キャリアの棚卸しは、徹底的に「いつどこでどんな仕事を行い、どれだけの実績をあげてきたか?」を掘り下げる作業です。
今までの職務経歴を整理することで、職務経歴書が楽に書けるようになります。
キャリアの棚卸しをしっかり行う効果は、まさに絶大です。
転職理由がさらに深堀りされますので、転職面接では対策は不要になります。
キャリアプランも描けますので、最終面接対策になります。
書類選考対策や転職面接対策の殆どが、「キャリアの棚卸し」でクリアになります。
ただし、キャリアの棚卸しを行って効果があるのは、「経験を活かした転職」の場合です。
現在の業界や職種の延長線上として、「転職の軸」が決まるんです。
将来のキャリアが現在のキャリアの延長線上に形成される点で、キャリアの棚卸しはわかりやすい手法です。
【採用担当が解説】キャリアの棚卸しを簡単に行う手順をマニュアル化
それに対して「キャリア・アンカー」はまず「こうなりたい」という欲求があり、それを実現するために、転職の軸を決めます。
アプローチが逆であることが、わかります。
ゴールには、必要な「資源」があるはずです。
その資源は、今ある資源と等しいのか?
多くの方は資源が足りないはず。
足りない資源を埋める為に必要な勉強、トレーニングなどの訓練が必要です。
キャリア・アンカーは、このようにあるべき姿に向かって努力する方法です。
夢・目標とも言えます。
キャリアの棚卸しは、下から設計する「ボトムアップ」型のイメージです。
キャリア・アンカーは、上から設計する「トップダウン」型のイメージです。
こう見ていくと、違いは明確です。
では職務経歴書を書く際に、どうするのが良いのでしょうか?
キャリア・アンカーで職務経歴書を書く新たな手順

「キャリア・アンカー」「キャリアの棚卸し」ともに、良い職務経歴書を書く為には必要なことです。
従来は、キャリアの棚卸しで十分と言われていました。
働き方改革が進む現在は「キャリア・アンカー」を取り入れて、ライフプランから仕事の位置づけを決めた方が良いです。
職務経歴書の作成手順としては、以下のようになります。
- キャリア・アンカーを考える(自分にとってのゴールを考える)
- キャリアの棚卸しを行う
- 職務経歴書を書く
抽象的な概念から具体的な実績へと、言語化していくのがミソです。
キャリア・アンカーは、ものごとを俯瞰(ふかん)したものの見方です。
キャリアチェンジを検討している方は、キャリア・アンカーという考え方は必須になります。
人生にとってもです。
ご参考までにE.H.シャイン著の「キャリア・アンカー」をご一読いただくことをおすすめします。



