
転職理由をどう整理すればいいのか分からない人「面接で『なぜ転職したいのか?』と聞かれると、深掘りされたら答えに詰まってしまいそう…。どう準備すればいいのだろう?」
こういった疑問に、採用担当の筆者が答えます。
転職活動を始めると、多くの人が「転職理由」を表面的にしか考えずに動き始めてしまいます。たとえば「残業が多い」「給料が低い」「人間関係が合わない」といった一言だけで応募してしまうと、面接で深掘りされたときに言葉に詰まることがあります。
本記事では、「なぜなぜ分析」というフレームワークを使って、転職理由を体系的に深掘りする方法を解説します。面接対策としての使い方だけでなく、キャリアデザインとしての整理の仕方も含めてお伝えします。
先日、こんなツイートをしました。
転職理由を答えるとき、表面的な一言で終わらせてはいけない。5回は「なぜ?」を繰り返そう。キャリアの本音が見えてくる。
— CowBoy | 代表取締役&採用担当 (@cowboy19620626) September 8, 2023
転職理由を答えるとき、表面的な一言で終わらせてはいけない。5回は「なぜ?」を繰り返そう。キャリアの本音が見えてくる。
- なぜ「なぜなぜ分析」で転職理由を掘るべきか
- 具体的な掘り下げ手順と変換のコツ
- 面接や志望動機につなげる方法
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 採用担当経験、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
記事構成は、以下目次のとおりです。
では、一つずつ解説します。
- 転職理由は「深掘り」しないと危険
- 「なぜなぜ分析」とは?
- 転職理由を整理する3つの視点
- 「なぜなぜ分析」の進め方 ― 手順解説
- 退職理由をポジティブに変換する
- ケース・スタディ:転職理由を「なぜなぜ分析」で深掘りした例
- 面接での使い方:具体的な伝え方とNG表現
- 転職エージェントを「なぜなぜ分析」に活用する
- よくある質問(FAQ):「なぜなぜ分析」と転職理由
- まとめ ― 「なぜなぜ分析」で転職理由を武器にする
転職理由は「深掘り」しないと危険
転職理由を聞かれて、つい表面的な答えで終わらせてしまう人は意外と多いです。
「残業が多い」「上司と合わなかった」「給与が低かった」──これらは確かに事実かもしれませんが、面接官からすれば「それだけ?」と感じてしまうリスクがあります。
表面的な理由しか用意していないと、次の2つの危険があります。
- 説得力がなく「他責」に見える
- 次の会社でも同じ不満を繰り返すと思われる
【採用担当が解説】転職理由を深掘りしないとどうなるか?【3つの弱み露呈】
説得力がなく「他責」に見える
「上司が悪いから辞めました」と答えると、どうしても責任を他人に押し付けている印象になりがちです。
その場では同情してもらえるかもしれませんが、採用する立場からすると「同じことをうちの会社でも言うのでは?」と疑念を持たれてしまいます。
改善策1:自分の視点を入れる
「上司との相性が合わなかった」だけでなく「自分はチームで意見交換しながら働く方が成果を出しやすい」など、自分のスタイルを含めて語ると印象が変わります。
改善策2:相手の立場に配慮する
「上司が悪い」ではなく「上司のマネジメントスタイルと自分の働き方が合わなかった」という表現なら、批判ではなく相性の話として伝わります。
次の会社でも同じ不満を繰り返すと思われる
「残業が多かったから辞めた」と答えた人に対して、面接官は「ではうちでも残業が発生したらまた辞めるのでは?」と考えます。
これでは、どんなに能力があってもリスクの高い人材と見なされかねません。
改善策1:未来につなげる
「残業が多かったので、効率を意識した働き方ができる環境を選びたい」と伝えると、前向きに聞こえます。
改善策2:学びに変換する
「過度な残業を経験したからこそ、今後は自分の生産性を意識して成果を出したい」と言い換えると、ポジティブな学びとして評価されます。
つまり、転職理由は「表面的な不満」ではなく「その奥にある自分の希望や働き方」を伝えられるように深掘りしておくことが不可欠なのです。
「なぜなぜ分析」とは?
「なぜなぜ分析」とは、トヨタの生産現場で使われてきた問題解決手法です。
ある問題に対して「なぜ?」を繰り返すことで、表面的な理由ではなく根本原因(真因)を見つけていく方法です。
これを転職理由の整理に応用すると、次のような効果があります。
- 退職理由の「本当の原因」が見える
- 感情を言語化できるので説得力が増す
- 次に選ぶべき会社の条件が明確になる
退職理由の「本当の原因」が見える
例えば「上司と合わなかった」という理由も、掘り下げると「意見を言える雰囲気がなかった」「評価基準が不透明だった」など、別の原因に行き着きます。
こうした本質的な部分を見つけることが、次の転職を成功させるカギです。
例1:評価制度の不透明さ
「上司と合わない」の裏には、評価制度の基準が曖昧であることが隠れているケースがあります。
例2:組織文化の違い
「合わない」の正体が「上下関係が厳しい」「自由度が低い」など文化的な要素である場合も多いです。
感情を言語化できるので説得力が増す
「不安」「モヤモヤした」など感情的な言葉は、面接の場では説得力に欠けます。
しかし「将来のキャリアパスが描けず不安だった」と具体化すれば、納得感のある理由になります。
表現の工夫1:抽象から具体へ
「不安だった」→「キャリアパスが見えず不安だった」など、状況を具体化するだけで伝わり方が変わります。
表現の工夫2:感情を事実に置き換える
「イライラした」→「会議で意見を出しても取り入れられなかった」など、出来事に変換します。
次に選ぶべき会社の条件が明確になる
「なぜなぜ分析」を通して「自分は安定より挑戦を重視する」「ワークライフバランスを大切にしたい」といった価値観が見えてきます。
これが次の会社を選ぶ軸になり、ミスマッチを防ぐことに繋がります。
条件例1:働き方
「残業が少ない環境が良い」ではなく「成果主義でも労働時間を適切に管理している会社」を探すなど具体化します。
条件例2:組織風土
「人間関係が良い」では抽象的すぎます。
「情報共有が活発」「フラットな雰囲気」など、自分に合う特徴を言語化しておくことが大切です。
転職理由を整理する3つの視点
整理の基本は次の3つです。
- できること(スキル・経験)
- やりたいこと(価値観・志向)
- 求められること(市場ニーズ)
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できること(キャリアの棚卸し)
職務経歴を時系列で書き出し、「何を任され、どのような成果を出したか」を具体化します。数値で示せる成果は履歴書・職務経歴書で説得力が出ます。
【キャリアの棚卸し】あなたの強みはどうすればわかる?【効果絶大】
やりたいこと(価値観・志向)
裁量・成長・収入・勤務地など、自分の優先順位を3つ程度に絞って言語化すると、応募先の取捨選択が容易になります。
求められること(市場の視点)
業界や職種のトレンドを確認して、自身のスキルが市場で求められているかを検討します。生成AIなど技術動向も踏まえ、上流工程に強みを持てるかを考えるのも有効です。
【2025年版】転職活動の疑問解決!注目業界トップ10と避けるべき業界を徹底解説
「なぜなぜ分析」の進め方 ― 手順解説
なぜなぜ分析の進め方は、以下の5つになります。
- 表面的な退職理由を書き出す(例:「残業が多い」)
- 「なぜ?」を5回繰り返す
- 出てきた理由をグルーピングする
- 自分でコントロールできるかを仕分ける
- 次の会社選びにどう活かすか考える
重要なのは、掘り下げた結果を面接で使える形(ネガティブ→未来志向)に変換することです。
【採用担当解説】転職理由と退職理由はどう違うのか?【知らないと恥をかく】
以下では、手順をかみ砕いて解説します。
表面的な転職理由を書き出す
まずは思いつくままに転職理由をすべて書き出してみましょう。例:「残業が多い」「上司と合わない」「給与が低い」など。
ポイント:正直ベースで書く
この段階では「面接でどう話すか」を気にする必要はありません。心の中の本音を素直にメモすることが大切です。
コツ:曖昧な言葉は避ける
「なんとなく合わない」ではなく、「会議で意見が通らない」「評価が一方的だった」など、具体的に書くと次のステップで役立ちます。
「なぜ?」を5回繰り返す
次に、書き出した理由に対して「なぜ?」を繰り返し、自分でも気づかなかった本当の原因を掘り下げます。
掘り下げのコツ① 他人の視点を借りる
一人で考えると行き詰まることがあります。信頼できる人に壁打ちしてもらうと、思わぬ切り口で「なぜ?」を投げてもらえます。
掘り下げのコツ② 感情を言葉に置き換える
「モヤモヤする」を「意見を言えずに不満が溜まる」に変えると、分析が進みやすくなります。
掘り下げのコツ③ 数字や事実で補強する
「残業が多い」ではなく「月80時間を超えていた」と書くと、説得力がグッと増します。
出てきた理由をグルーピングする
掘り下げた理由を「仕事内容」「人間関係」「待遇」「働き方」などのカテゴリにまとめます。
メリット:全体像が見える
バラバラだった不満が整理されると、自分が本当に重視しているポイントが浮かび上がります。
ポイント:似た理由は1つにまとめる
「評価されない」「昇進できない」など、実は同じ原因の表現違いだったりします。
自分でコントロールできるかを仕分ける
次に「自分の努力で変えられるもの」と「環境を変えないと解決できないもの」を分けてみましょう。
例:自分で改善できること
スキル不足 → 学習や資格取得で解決可能
例:環境を変える必要があること
評価制度や社風 → 個人では変えられないので転職を検討する対象
次の会社選びにどう活かすか考える
最後に、浮かび上がった「本当の理由」を次の転職活動に活かします。ここで考えたことが、求人選びや面接回答の軸になります。
具体例:残業が多い → ワークライフバランスを重視
求人票や口コミで実際の労働時間をチェックする視点につながります。
具体例:上司と合わない → フラットな組織文化を重視
面接で「評価制度」や「チームの雰囲気」を質問する切り口になります。
退職理由をポジティブに変換する
退職理由は、そのまま伝えるとネガティブに聞こえてしまうことが多いです。そこで重要なのが「ポジティブ変換」です。たとえば次のように変換できます。
- 「残業が多い」 → 「効率的に成果を出せる環境を求めたい」
- 「上司と合わない」 → 「風通しの良いコミュニケーションを大切にしたい」
- 「給与が低い」 → 「自分の成果が正当に評価される環境で挑戦したい」
ここでは、代表的な理由を例に取りながら、どのようにポジティブに変換できるかを解説します。
【採用担当が徹底解説!】転職理由を明確にする3つの方法を【簡単に】マニュアル化!
残業が多い → ワークライフバランスを重視
「残業が多い」とそのまま伝えると「忍耐力がない」と受け取られる可能性があります。しかし「効率的に成果を出したい」「プライベートの時間も確保して学習や成長にあてたい」と言い換えれば、前向きな印象になります。
伝え方の工夫
「自分の生産性を高めるために、時間の使い方を意識しています」と面接で表現すると、改善意識が強調できます。
NGな伝え方
「残業が嫌だから辞めました」と言うと、単なる不満に聞こえます。環境のせいにせず、自分の成長や成果につなげる形に言い換えましょう。
企業が受け取る印象
効率性や自己管理を重視していると伝われば、採用側も「成果を出してくれる人材」とプラス評価します。
上司と合わない → チームワークを大切にしたい
「上司と合わない」と言うと、人間関係に問題がある印象を与えかねません。「チームで協力して成果を出す文化を大切にしたい」「オープンに意見を出し合える環境で力を発揮したい」と変換するとポジティブです。
伝え方の工夫
「これまでの経験から、チーム内のコミュニケーションが成果に直結することを学びました」といった表現が効果的です。
NGな伝え方
「上司の性格が合わなかった」と話すと、人間関係のトラブルメーカーと誤解される可能性があります。
企業が受け取る印象
チームで成果を上げる姿勢は、組織適応力があると見られるためプラス材料になります。
給与が低い → 成果に応じた評価を求めたい
給与の不満をストレートに言うと「お金目当て」と取られがちです。「これまで培ったスキルを正当に評価される環境で挑戦したい」「実力に見合った責任や成果を求めたい」と言い換えましょう。
伝え方の工夫
「自身の成長や成果を、より大きな責任や役割に活かしたいと考えています」と表現すれば、キャリア志向として前向きに伝わります。
NGな伝え方
「もっと給料が欲しい」と単純に話すと、条件面だけを重視している印象を与えてしまいます。
企業が受け取る印象
スキルアップや成長意欲を背景に伝えれば、採用側も「成長ドライブが強い人材」として前向きに評価します。
このように言い換えることで、面接官に「前向き」「合理性」「長期的視点」を印象づけられます。
ケース・スタディ:転職理由を「なぜなぜ分析」で深掘りした例
退職理由はあくまでも過去のこと【転職後を深掘りすることが大切】
1. やりたいことが多すぎて迷う
掘り下げの視点:優先順位をつける
「興味があることが多い」というのは強みでもあります。なぜ迷っているのかを整理し、「自分の軸」をはっきりさせることで面接での説得力が増します。
ポジティブ変換の例
「幅広い分野に関心を持ち、柔軟にキャリアを考えている」→「その中でも特に○○を深めたい」
2. 人間関係がうまくいかなかった
掘り下げの視点:環境と相性を分けて考える
人間関係は表面的な理由になりがちです。なぜ合わなかったのかを「仕事内容・評価制度・文化」と切り分けて整理すると、前向きな説明ができます。
ポジティブ変換の例
「コミュニケーションが合わなかった」→「チームで成果を出せる環境を求めたい」
3. 給与への不満
掘り下げの視点:不満の本質を探る
単に「給与が低い」ではなく、「成果に見合った評価が欲しい」「生活環境の変化に対応できる収入を確保したい」など、背景を深掘りします。
ポジティブ変換の例
「給与が低かった」→「成果に応じた評価制度のある環境でチャレンジしたい」
4. 成長できる環境が欲しい
掘り下げの視点:成長=具体的に何か
「成長」とは漠然とした表現なので、スキル・経験・役割など具体的に分解して言葉にするのがポイントです。
ポジティブ変換の例
「新しい技術に触れたい」→「○○分野での実務経験を積み、キャリアを広げたい」
5. ワークライフバランスを重視したい
掘り下げの視点:働き方の理想像を描く
残業の有無だけでなく、「集中して働く環境」「メリハリのある働き方」など、価値観を深掘りすると前向きな印象になります。
ポジティブ変換の例
「残業が多かった」→「効率的に成果を出せる環境を求めたい」
6. 評価制度への不満
掘り下げの視点:納得感をどう得たいか
評価の何に納得できなかったのかを深掘りすると、改善したいポイントが明確になります。
ポジティブ変換の例
「評価が不透明だった」→「成果が見える形で反映される仕組みを重視したい」
7. キャリアの方向性を変えたい
掘り下げの視点:なぜその方向性か
「異業種に挑戦したい」では弱い印象になるので、「なぜ今その方向へシフトしたいのか」を具体的に示す必要があります。
ポジティブ変換の例
「業界を変えたい」→「これまでの経験を○○に活かし、新しい分野に挑戦したい」
8. 会社の将来性に不安があった
掘り下げの視点:安定だけではない軸を持つ
単に「不安だった」とは言わず、「将来性のある市場で力を発揮したい」と言い換えることで説得力が増します。
ポジティブ変換の例
「会社の将来に不安があった」→「成長市場でスキルを活かしていきたい」
このようにケースごとに「なぜ?」を重ねることで、転職理由は前向きな武器に変わります。
面接での使い方:具体的な伝え方とNG表現
なぜなぜ分析で整理した「転職理由」は、面接での回答に直結します。ここでの伝え方を間違えると、不満ばかり話すネガティブな印象になってしまいます。逆に、前向きに伝えられれば「キャリアの軸が明確な人材」と評価されます。
結論:面接では「過去の不満」ではなく「未来への希望」として転職理由を伝えるのが鉄則です。
【採用担当が解説】転職面接で転職理由を聞かれたときはどうするの?【退職理由は軽めに】
良い伝え方の例
ポジティブに変換した転職理由を、未来志向で語ることが大切です。
伝え方の工夫
「残業が多かったので転職したい」ではなく「効率的に成果を出せる環境で、自分のスキルをより活かしたい」と話すと、建設的に聞こえます。
具体的な面接フレーズ
「前職では残業が多く、学習や改善にあてる時間を十分に取れませんでした。御社では効率的に成果を出しつつ、自分の成長にも時間を投資したいと考えています。」
企業が受け取る印象
単なる「残業が嫌」という不満ではなく「成果・成長に前向きな人」としてプラス評価されます。
NGな伝え方の例
不満や批判をそのまま伝えると、マイナス印象につながります。
よくあるNG表現
「上司と合わなくて…」「給料が低すぎて…」など、他責や条件面だけを強調するのは逆効果です。
採用担当の受け止め方
「環境が変わればまた辞めるのでは?」と懸念される可能性があります。
改善策:言い換えのヒント
ネガティブ理由は必ず「だからこそ次は○○を大切にしたい」と未来志向に転換しましょう。
転職エージェントを「なぜなぜ分析」に活用する
転職エージェントは求人紹介だけではなく、実は「本音を整理するための相棒」としても役立ちます。自分ひとりで考えると堂々巡りになりがちですが、人に話すことで考えが整理されていきますよね。その役割を担ってくれるのがエージェントです。
結論:エージェントは「話し相手」「客観的なアドバイザー」「求人の通訳」として使うと、なぜなぜ分析がスムーズに進みます。
話し相手として活用する
エージェントとの面談は、転職理由を声に出して整理する絶好のチャンスです。
ポイント:話すことで頭が整理される
「それってどういう意味ですか?」と質問されると、自分では気づかなかった本音に気づけることがあります。
注意点:流されないようにする
アドバイスは参考にしつつ、「自分が納得できるか」を必ず基準にしましょう。
【採用担当が徹底解説!】転職エージェントは自己責任で使えば失敗しない?【言いなりはダメ】
第三者の目線をもらう
自分では見えない「市場からの評価」を知ることができます。
具体例:強みと弱みがわかる
「あなたの経験はこの業界で需要が高いですよ」や「ここを伸ばすともっと評価されます」など、率直な意見がもらえます。
コツ:複数の声を聞いてみる
1人の意見に偏らず、複数のエージェントに話を聞くとバランスが取れます。
【採用担当が解説】転職エージェントは複数利用が基本です【注意点あり】
求人情報をかみ砕いてもらう
求人票には書かれていない「会社のリアルな雰囲気」も知ることができます。
メリット:実態が見える
「残業時間の実態」「社風」「面接で重視される点」など、表に出ない情報を教えてもらえます。
注意点:担当者の質に左右される
経験豊富なエージェントだと情報量も多いですが、そうでない場合もあるので見極めは必要です。
【採用担当が教える】無能なコンサルタントを見極める6つのポイント
よくある質問(FAQ):「なぜなぜ分析」と転職理由
不安になりがちなポイントを解消し、安心して面接に臨めるようにしましょう。
Q1. 「なぜなぜ分析」は必ず5回やる必要がありますか?
柔軟に考えてOK
必ず5回にこだわる必要はありません。3回で本質が見えればそれで十分ですし、場合によっては6回以上掘り下げることもあります。
大事なのは「納得感」
自分自身が「ここが根本的な理由だ」と腑に落ちるまで掘り下げられれば、面接でも自然に伝えられます。
Q2. ネガティブな理由を話しても大丈夫ですか?
ネガティブは出発点でOK
最初は「残業が多い」「給与が低い」などネガティブな理由で構いません。大切なのは、それを未来志向に変換できるかどうかです。
ポジティブ変換で印象アップ
「残業が多かった」→「効率的に働き、成果を出したい」など、未来につながる言い換えをすることで印象がガラッと変わります。
Q3. 面接で本音をそのまま言っていいのでしょうか?
本音を「そのまま」では危険
「上司が嫌いでした」「人間関係で揉めました」と言うとマイナス評価に直結します。
伝え方を工夫する
「コミュニケーションの仕方に課題を感じた」→「チームで成果を出せる環境を求めたい」など、前向きな表現に変えましょう。
Q4. どうしても答えにくい理由があるときは?
全部を話す必要はない
無理に全てを語る必要はありません。特に人間関係や会社の経営事情などは、角が立たないように伝える工夫が必要です。
答えにくいときの工夫
「会社の体制が変わり、自分のキャリアプランと合わなくなった」など、主語を自分に寄せると角が立ちません。
Q5. 「なぜなぜ分析」は一人でもできますか?
一人でも可能だが限界あり
紙やノートに書き出して一人で掘り下げることは可能です。ただし、自分では気づけない思考の癖があるため、限界もあります。
第三者の視点を取り入れる
転職エージェントや信頼できる友人に壁打ちしてもらうと、自分では見えなかった理由や強みを引き出してもらえます。
【採用担当が解説】キャリアの棚卸しに必要な期間はどれくらい【エージェントも活用】
FAQを通じてよくわかるのは、「掘り下げ」と「言い換え」が転職理由を武器に変えるカギだということです。
まとめ ― 「なぜなぜ分析」で転職理由を武器にする
結論:「なぜなぜ分析」は、ネガティブな退職理由を未来につながる転職軸へ変えるための最強ツールです。
この記事では、なぜなぜ分析の手順から、退職理由のポジティブ変換、面接での伝え方、エージェントの活用方法までを解説しました。
- 表面的な不満を深掘りして「本当の理由」を知る
- ネガティブな理由を前向きな表現に変換する
- 面接では「改善意欲」や「将来のビジョン」として伝える
- エージェントを壁打ち相手にして客観的な視点を取り入れる
こうして整理した内容は、そのまま「転職の軸」や「企業選びの基準」になります。自己分析に迷っている人こそ、なぜなぜ分析を活用してみてください。
少し手間はかかりますが、一度整理してしまえば転職活動がブレにくくなります。ぜひ時間をとって実践してみましょう。
【採用担当が解説!】転職の軸がブレた時、確認すべき3つのポイントと対策とは?
