
転職面接で、志望動機を準備中の人「転職面接で、志望動機をどうするかはっきりしない。志望動機の作成方法を、知りたい。志望動機は、転職面接でどう伝えればよいのかも知りたい。」
こういった疑問に、採用担当の筆者がお答えします。
転職面接で必ず聞かれる「志望動機」。頭では重要だとわかっていても、いざ言葉にしようとすると「何を、どう伝えればいいのか」がわからない人は多いものです。実際、志望動機の完成度が合否を左右するケースも少なくありません。この記事では、採用担当として多くの面接を経験してきた筆者が、志望動機の正しい作り方と伝え方をわかりやすく解説します。
先日、こんなツイートをしました。
転職活動で志望動機はとても重要。特に転職面接でどう伝えるかで合否が決まることもある。志望動機を採用担当者が質問する意図は「本当にうち」を本気で応募しているかしりたいのが一番。「すぐに辞めないか」が二番目。いずれにしろ、例文に頼らず自分の言葉で話すことが内定への近道。
— CowBoy (@cowboy19620626) August 10, 2021
転職活動で志望動機はとても重要。特に転職面接でどう伝えるかで合否が決まることもある。志望動機を採用担当者が質問する意図は「本当にうち」を本気で応募しているかしりたいのが一番。「すぐに辞めないか」が二番目。いずれにしろ、例文に頼らず自分の言葉で話すことが内定への近道。
- 志望動機は、どう作成すればよいのか?
- 企業が、転職面接で志望動機を聞く理由
- 転職面接で、志望動機の伝え方
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 採用担当経験、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
記事構成は、以下目次のとおりです。
では、一つずつ解説します。
転職面接に向けて、志望動機はどう作成すればよいのか

結論「転職の軸を基に作成すれば、簡単」
志望動機というと、「何を書けばいいのか」「どうすれば評価されるのか」と悩む人が多いですが、実は本質はとてもシンプルです。あなた自身の過去・現在・未来を一貫して言語化すればいいのです。
つまり、難しく考えるよりも「自分がどんな目的で転職し、どんな環境で成果を出したいのか」を整理するだけで、自然に志望動機は見えてきます。
志望動機 = 転職の軸 + 企業研究
この式をベースに考えましょう。転職の軸とは「自分が転職で何を大切にしたいか」という価値観のことです。
転職の軸は、転職理由を深堀することで明確になります。つまり、「なぜ今の職場ではダメだったのか」「次はどんな環境で働きたいのか」を掘り下げていけば、自然とあなたの軸が浮かび上がります。
この軸さえ定まれば、あとは企業研究を通して「その企業が自分の軸に合っているか」を検討するだけです。
転職の軸を明確にする
まずは自分の「軸」を言語化するための実務的なステップを示します。短時間でできるワークから、深掘りワークまで段階的に整理しました。
【驚愕の事実】転職の軸を作るのは意外に簡単【採用担当が教える】
キャリアの棚卸し
- 目的:あなたが何を大切にしてきたか、どんな場面で力を発揮したかを洗い出す。
- やり方:職務経歴を時系列で書き出し、各仕事での「役割」「成果」「困難」「学び」を箇条書きにします。
- ポイント:数字(%や件数、売上額)を入れると説得力が増します。例えば「チームの売上を20%改善」「月間処理件数を50件から120件に増加」など。
【採用担当が解説】キャリアの棚卸しを簡単に行う手順をマニュアル化
転職の軸を言語化
- 目的(Why)=転職で叶えたいこと(例:専門性を高めたい、裁量を持ちたい、ワークライフバランスを改善したい)
- 手段(How)=その目的を実現するために必要な環境や業務(例:裁量あるポジション、新規事業、公的な研修制度)
- テンプレ例:「私は【目的】を実現するため、貴社の【手段・特徴】を活かして【貢献】したいと考えています。」
【採用担当が解説!】転職の軸がブレた時、確認すべき3つのポイントと対策とは?

キャリアの棚卸しはやったことありますが、どうしても“箇条書き”で終わってしまいます。言語化が苦手です…。どうすれば良いでしょうか?

堅苦しく考えず、
- なぜ?
- どうやって?
- どんな結果?
の3行に展開してみてください。1つの経験を深掘りすることで、自然と軸が明確になります。
転職軸の検証
方法:
- 友人や元同僚にあなたの強み・弱みを聞く
- エージェントに客観的な立ち位置を確認してもらう
- 企業の社員にカジュアル面談で意見をもらう。
効果:
- 第三者のフィードバックで、自分では気づかなかった強みや市場での価値が見えてきます。
企業研究の効率的な進め方
次に、企業研究の実務です。志望動機は企業側の情報を踏まえて初めて説得力を持ちます。効率よく必要情報を収集する方法を示します。
情報ソースと優先順位
- 必須:会社HPの事業紹介、IR(上場企業)、採用ページ、最新ニュースリリース
- 重要:
転職会議 や
OpenWork(オープンワーク)、業界地図
、会社四季報
など。OB/OG訪問やカジュアル面談は最上位の情報源。
- チェック項目:事業の強み/主要顧客/直近の業績指標/競合ポジション/カルチャー
比較表の作り方
- 方法:スプレッドシートで「自分の軸」と企業の機能を列に並べ、点数(1-5)で評価する。
- カラム例:社名|事業成長性|裁量度|教育制度|勤務地柔軟性|自社製品の強み|年収レンジ|総合適合度
- 効果:一覧で比較することで「なぜこの会社か」の説明がブレずに作れるようになります。
【2025年版】転職活動の疑問解決!注目業界トップ10と避けるべき業界を徹底解説

業界調査って具体的にどう作ればいいですか?資料を探すのも時間がかかって…。

具体的には、業界地図から“主要プレイヤー”だけを3-5社ピックアップして、売上構成や強みを比較することから始めてください。詳しい調査は、後から補えばOKです。
情報の収集は「最小限で仮説を作る」→「詳細で検証する」サイクルが早道です。
ここで、実務的な優先アクションリストを示します。
- 会社HPの「事業内容」と「採用ページ」を読み、キーワードを抜き出す。
- 直近1年のニュースでや新製品・リストラ等の大きな動きを確認。
- 社員のX(旧 Twitter)や転職会議でカルチャー感を肌で感じる。
- OB/OGやエージェントに短い質問を投げ、ギャップを検証する。
実際に志望動機を書く際は、上記で得た情報から「自分の軸と企業の接点」を3つ程度ピックアップして、それをサポートする具体的な経験を1つずつ結びつけると強い志望動機になります。
企業のホームページに書かれている事業内容は、最低限押さえつつ、IRやニュースで裏取りをすると説得力が増します。
会社四季報
志望動機の書き方と面接での伝え方
最後に、書面(職務経歴書・エントリーシート)と口頭(面接)での伝え方の“実践技”を紹介します。特に面接では「結論→理由→具体例→結論(PREP)」のテンプレを徹底します。
PREP法で1分以内にまとめるテンプレ
- Point(結論):私は貴社の◯◯に共感し、△△の経験を活かして貢献したいと考えています。
- Reason(理由):その理由は、私が前職で□□を達成し、××の課題を解決した経験があるためです。
- Example(具体例):具体的には、前職で○○プロジェクトを率い、売上を△%改善しました。
- Point(締め):以上の経験を貴社の〇〇で活かし、□□に貢献したいと考えています。
よくあるNG例と改善例(具体)
NG例:本音であっても、面接では言わない方が良い。
【採用担当解説】転職面接で志望動機を回答する際、絶対言ってはいけないこととは?
- 御社の社風に、惹かれました
- 待遇が良いから、応募しました
改善例:経験と企業ニーズを結びつける。
- 御社の◯◯という事業で、△△のような挑戦をしている点に、共感しました。
- 私は前職で□□を行い、××の成果を出したため貢献できます。
面接での追加質問に備える(Q&A形式で準備)
想定問答を3つ作り、各問に対して「結論→裏付けデータ→具体例→次につなぐ一文」を用意しておくと安心です。よく聞かれる質問例:
- なぜ、当社を選んだのか?
- 前職での失敗と学びは?
- 5年後のキャリアは?

PREP法は知っていますが、面接で緊張して順番を忘れてしまいます。コツはありますか?

要点だけをメモしておくと良いです。面接前に「結論:●」「理由:▲」「具体例:★」の3点だけを2行で書いて胸ポケットに入れておけば、落ち着いて話せますよ。
まとめ:志望動機は「転職の軸」と「企業研究」を結びつけて作ることが肝要です。軸を明確にし、必要情報を効率的に集め、PREPで簡潔に伝える練習を繰り返せば、面接での説得力は格段に上がります。
企業が転職面接で、志望動機を聞くわけ

結論:「企業は、応募者のモチベーションの高さと、入社後にすぐ辞めないかを確認するために質問します」
転職面接では、多くの求職者が「志望動機」をどう答えるか悩みます。
しかし企業側には明確な意図があります。単に形式的に聞いているわけではなく、応募者の本気度や将来性を見極めるための重要な質問です。
志望動機を聞く3つの目的
企業が志望動機を確認する背景には、大きく分けて以下の3つの目的があります。
本気度の確認
- 応募者がその企業を選んだ理由の深さを測る
- 「自社に入る意欲」があるかどうかを評価
- 競合他社にも応募している場合でも、どこまで自社に魅力を感じているかを判断

自分の軸に合っている企業かどうか、どうやって判断すれば良いですか?

まずは自分の転職の軸を整理し、企業研究を組み合わせて照らし合わせてください。業界・職種・事業内容が自身の希望と合致しているかを確認することが重要です。
入社後の定着性チェック
- 採用コストが高いため、すぐに辞めないかを確認
- 志望動機が浅い場合、早期退職のリスクが高いと判断される
- 応募者の価値観と企業文化のマッチ度も間接的に評価
過去のキャリアとの整合性確認
- 前職での経験や成果が、志望企業の業務にどう活かせるかを理解しているかをチェック
- 退職理由と志望動機の一貫性を確認
- キャリアを、自分の言葉で語れるようにしておく
志望動機の質問で企業が見るポイント
面接官は単に「なぜここか」を聞くだけではなく、具体的に複数の観点で評価しています。
具体的なチェック項目
- 言語化力:自分の考えを整理して、簡潔に伝えられるか
- 思考の深さ:表面的な理由ではなく、自分の経験や価値観に基づいているか
- 企業理解:会社の事業、文化、競合、成長性を理解しているか
- 熱意・モチベーション:入社意欲が、本物かどうか
- 柔軟性:質問の方向性を変えても、一貫した回答ができるか

熱意やモチベーションって、どのくらい具体的に示せば良いですか?

具体例を1~2つ用意して、成果や学びをセットで語ると良いです。「前職で○○を達成した経験があり、貴社でも□□に活かしたい」という形で簡潔に示してください。
面接官の心理を理解する
- 「本気で応募しているか」「短期間で離職しないか」が中心
- スキルチェックよりも、意欲と文化フィットを重視する傾向がある
- 志望動機があいまいだと、採用側は慎重になる
面接前の準備ステップ
志望動機の質問に備えるための準備は、段階を踏むと効果的です。
転職の軸を整理する
- 自分が何を実現したいか、価値観や優先順位を明確にする
- 前職での成功体験や失敗体験を棚卸しし、志望動機に関連付ける
- 転職理由と志望動機とで、一貫性があることを意識する
企業研究を行う
- 事業内容、強み、成長性、文化を把握する
- 競合他社との比較も行い、自分が貢献できるポイントを抽出
- 公式HPやIR資料、ニュースリリースを最低限チェック
回答を構造化する
- PREP法や結論→理由→具体例→結論の流れで整理
- 簡潔で説得力のある文章を意識
- 面接前に友人やエージェントにリハーサルしてもらうと効果的

自分の軸と企業研究をつなげるのが難しいです。具体例を交えてどう話すと良いですか?

応募先企業の強みと、自分の経験・スキルをマッチングさせて3つ程度ピックアップすると伝えやすいです。例えば「御社の新規事業に関わる経験を前職で積んでおり、□□プロジェクトで活かしたい」と具体例を添えます。
面接本番のポイント
- 質問の意図を理解し、焦らずに回答
- 結論を先に述べ、その後に理由と具体例を続ける
- 短く簡潔に、1分以内で伝えられるよう準備
- 必要に応じてメモを胸ポケットに持ってリハーサル
まとめ:志望動機を聞く理由を理解し、自己分析・企業研究・構造化回答を組み合わせることで、面接での説得力は大きく高まります。
転職面接での志望動機の伝え方

結論「結論を先に端的に伝えるのがコツ」
志望動機は「結論から話す」が鉄則
面接では、まず結論を伝えることが最も重要です。最初に結論を述べることで、面接官は話の構造を理解しやすくなります。
PREP法の使い方を理解する
PREP法とは、
- P(Point):結論
- R(Reason):理由
- E(Example):具体例
- P(Point):結論の再確認
の流れで話す方法です。これにより、話が長くならず、説得力が増します。
面接官が求めている回答の構造
面接官は志望動機を聞くことで以下を確認しています。
- 応募者が本気であるか
- 入社後すぐに辞めないか
- 過去のキャリアと応募先の整合性
この観点に沿って、話を構造化すると印象が良くなります。
面接官の印象に残る言葉選び
具体的な成果や数字を交えると説得力が増します。例:
- 「前職でチーム売上を20%改善」
- 「月間処理件数を50件から120件に増加」
また、感情表現や自己分析を短く入れることで、印象に残る話ができます。

結論から話すのは分かりますが、緊張すると長くなってしまいます。どう整理すればいいでしょうか?

要点だけメモして、結論→理由→具体例の順に話す練習を繰り返すことです。短くまとめると自然にPREP法が身につきます。
志望動機を魅力的に伝えるテクニック
単に結論を話すだけではなく、面接官に「この人と働きたい」と思わせる表現が重要です。
ストーリーを加えて説得力を高める
自分の経験を短いストーリーにして話すと、より印象に残ります。
- 課題 → 行動 → 成果の順で説明
- 応募企業でどう活かすかを最後に結論付ける
面接官とのキャッチボールを意識する
話すだけでなく、面接官の反応に合わせて補足や簡潔な説明を加えると、対話的になります。
質問への返し方で印象を変える
よくある質問例:
- 「なぜ当社を選んだのか?」 → 転職の軸に沿った具体例で回答
- 「前職での失敗と学びは?」 → 成長や改善の過程を簡潔に説明
- 「5年後のキャリアは?」 → 会社での貢献を絡める

質問への答えもPREP法でまとめると良いのでしょうか?

はい。結論→理由→具体例→結論の順で回答すると簡潔で理解しやすいです。必要に応じて短いメモを胸ポケットに入れてもOKです。
面接で失敗しないための準備
面接前に準備を整えることで、志望動機の伝え方の精度が格段に上がります。
志望動機のテンプレと練習法
志望動機の骨子をテンプレ化し、繰り返し声に出して練習します。
- 自分の転職の軸を整理
- 応募企業の特徴を簡潔に言語化
- 結論→理由→具体例の順で1分以内にまとめる
面接直前チェックリスト
当日の確認ポイント:
- 志望動機のキーワードを紙に簡単に書き出す
- 服装・身だしなみの最終チェック
- 質問への回答を頭の中でイメージしておく
緊張を和らげるコツ
深呼吸や短いストレッチ、少し歩くなどでリラックスすることが効果的です。緊張しても、PREPの構造を意識すれば話がブレません。

緊張して頭が真っ白になったときでも、どう話せば良いでしょうか?

緊張しても「結論→理由→具体例」の骨格を思い出すだけでOKです。深呼吸で落ち着き、必要な箇所だけメモを見て話すと自然です。
まとめ:転職面接での志望動機は「結論を先に伝える」ことが重要です。PREP法を意識し、面接前に整理・練習することで、短くわかりやすく、印象的に伝えられます。



