
志望動機の回答で、悩んでいる人「ある企業の面接が、近づいている。転職活動は継続中。いずれにしても、志望動機を固めておかないと選考通過は難しそうだ。企業が志望動機をしつこく聞く理由を知っておきたい。また、対策として具体的にどうすれば良いかも知りたい。」
こういった疑問に、採用担当の筆者がお答えします。
「なぜ、うちの会社なのですか?」
転職面接で志望動機を聞かれたとき、あなたは自信を持って、論理的かつ情熱的に回答できていますか?志望動機は、あなたの入社意欲を測るためだけの質問ではありません。企業は、あなたの回答の裏側にある「転職の目標」の確かさと、「採用にかかる費用をムダにしない長期的な意欲」という2つの重要なことを確認しています。
この記事では、採用担当者の視点に基づき、企業が志望動機から何を読み取ろうとしているのか、そして、面接官を納得させ、内定を勝ち取るために必要な「転職理由と志望動機の正しい結びつけ方」を、分かりやすい言葉で徹底的に解説します。
先日、こんなツイートをしました。
なぜ企業は志望動機を聞くのか?その真意。①採用にはコストがかかる②志望動機を聞くことで、キャリアプラン、強みや弱みを自己理解しているか確認できる③回答例を覚えるのは、愚の骨頂④キャリアの棚卸しをしっかりと行うべき
— CowBoy | 代表取締役&採用担当 (@cowboy19620626) March 31, 2023
なぜ企業は志望動機を聞くのか?その真意。①採用にはコストがかかる②志望動機を聞くことで、キャリアプラン、強みや弱みを自己理解しているか確認できる③回答例を覚えるのは、愚の骨頂④キャリアの棚卸しをしっかりと行うべき
- 転職活動でなぜ企業が志望動機をしつこく聞くのかが、わかる。
- 志望動機の具体的な回答例がわかる。
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 採用担当経験、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
記事構成は、以下目次のとおりです。
では、一つずつ解説します。
なぜ転職面接で「志望動機」をしつこく聞かれるのか?

企業は、新たな人材を採用する際には多くのコストがかかります。
書類選考や面接、さらには社員研修や人事担当者の時間など、多くの費用や時間が必要です。
そのため、企業は採用した人材が長期間働くことで、そのコストを回収できるように、採用には慎重になります。
このような採用にコストがかかる背景から、企業は「志望動機」を聞いて、採用したいと思える人材かどうかを見極めようとするのです。
求職者にとっては、「志望動機」は単なる回答例として捉えられがちですが、実際には非常に重要な質問です。
企業は、自社にとって適した人材を採用するために、求職者のキャリアプランや人物像、志向性などを把握したいと考えています。
一方、求職者自身にとっても、「志望動機」を回答することでキャリアの棚卸しが進み、自分自身が求めるものや、キャリアアップのために必要なスキルや経験などを明確にすることができます。
また、応募する企業の事業内容や文化、ビジョンについて調べ、共感できる理由を見つけることで、自分が本当に入社したい企業を見つけることができます。
したがって、求職者にとっても、企業にとっても、「志望動機」は非常に重要な質問であり、しっかりと回答することが求められます。
企業は、転職理由を重視している
転職活動に入る前に、あなたの転職理由を明確にすることが大切です。
【採用担当が解説】転職を決意する前にやるべきことは、転職理由の明確化【たった1つ】
転職理由は転職を考えるきっかけとは違います。
転職理由は簡単に言えば、今の会社で実現できないことを転職することで成長するためのものです。
例えば『今までの経験を生かして、●●のスキルを身に着けるためには、今いる会社では実現不可能。』というようなことが、転職理由となります。
つまり【なぜ転職するのか、それは何を実現したいからなのか?】ですね。
【採用担当が簡単に教える】転職失敗しないための2つのポイントとは?
「今の会社で本当に実現できないのか?」の検討がされていないと、転職理由としては弱いです。
転職を考えるきっかけとなったことは退職理由といい、転職理由とは区別します。
【採用担当解説】転職理由と退職理由はどう違うのか?【知らないと恥をかく】
退職理由は過去に対する不満が主なきっかけとなるものが多いです。
会社に対する不満だけが理由で転職をすることは危険です。
なぜならば【退職して何を目指すのか?】が不明確だからです。
だからこそ転職理由は転職活動を成功させるための最重要課題といえるのです。
転職理由を見える化するためにキャリアの棚卸しを行って、あなたの強みを発見するんです。
【採用担当が解説】キャリアの棚卸しで注意すべき3つのポイント
これができて初めてどのような求人に応募していくかの転職活動の軸が固まるんですね。
転職理由は一度決めたら、ブレないことが大切です。
これがブレてしまうと、色々な求人に応募してしまい、転職活動に一貫性がなくなります。
転職の軸も、わからなくなってしまいます。
【採用担当が解説!】転職の軸がブレた時、確認すべき3つのポイントと対策とは?
志望動機は、転職理由と矛盾があってはいけません。
つまり関連性が強いので、転職理由の確認にもなるのです。
志望動機の使いまわしはすぐにバレる
志望動機は転職理由とは同じではありません。
しかしながら、転職理由が動機となっていなければなりません。
例えば、「スキルアップをしたい」が転職理由の一つだったとします。
実際には、もっと深掘りされているとは思います。
スキルアップをしたい、専門の領域がターゲットになりますよね。
今までの経験より高度なことをやりたいのであれば、それが転職理由。志望動機にもなります。
転職理由はスキルアップでよいのだろうか?【問題無だが深掘り必要】
志望動機では、さらに「なぜ、御社なのか?」を伝える必要があります。
求人ごとに、志望動機は異なります。
志望動機は、転職理由以上に手間がかかります。
志望動機がきちんと答えられれば、面接官は安心します。
「応募してきたのは、本気なのだな」と認識するから。
志望動機がしっかりしていれば、面接で失敗することはありません。
転職活動における具体的な志望動機の回答例とは?

では、志望動機の回答例はどのようなものでしょうか?
例えば、以下のような回答が挙げられます。
- その企業の事業内容や製品・サービスに、共感しているため。
- その企業で自分が、成長できると考えているため。
- 自分が持っているスキルや経験が、その企業に貢献できると思っているため。
これらはあくまでも一例であり、企業によって求められる回答は、異なります。
そのため、事前に企業の情報収集やキャリアの棚卸しをしっかりと行っておくことが大切です。
まず、キャリアの棚卸しをして自分が何を求めているのかを明確にすることが大切です。
その上で、応募する企業の事業内容や文化、ビジョンについて調べ、共感できる理由を見つけることがポイントです。
【キャリアの棚卸し】あなたの強みはどうすればわかる?【効果絶大】
例えば、事業内容に共感した場合は、自分がその事業に興味を持ち、自分のスキルや経験を活かして貢献できると考えていることを示す回答が有効です。
また、企業の文化やビジョンに共感した場合は、その企業のビジョンに共感し、自分がそのビジョンを実現するために必要なスキルや経験を持ち合わせていることをアピールする回答が有効です。
さらに、転職理由や今後のキャリアプランについても考えておくことが重要です。
例えば、自分が今後どのようなキャリアアップを望んでいるのか、その企業でどのような成長を遂げたいのかを明確にし、その企業がその成長につながると考えられる理由を示すことで、企業から評価される回答となります。
以上のように、具体的な回答例は自分自身のキャリアの棚卸しと企業調査に基づいて、自分がどのようなキャリアプランを持ち、その企業でどのような貢献ができるかを明確にすることが大切です。
企業が志望動機で知りたい本当の理由とは?

企業が「志望動機」を知りたい本当の理由は、
- 採用する候補者が、企業に本当に興味を持っているのか?
- 企業のビジョンや文化に、共感しているのか?
- キャリアの棚卸しが、しっかりとできているのか?
という点を確認するためです。
企業は、採用には多大な時間やコストがかかるため、採用後にすぐに辞めてしまうような候補者を避けたいと考えています。
そのため、採用前に候補者が企業に「本当に」興味を持っているのか、そして自分自身のスキルや経験を活かしてその企業で働きたいという「情熱があるのか」を確認する必要があります。
また「企業のビジョンや文化に共感している候補者」は、その企業で働くことが自分自身の成長につながると考え、熱心に取り組む傾向があります。
そのため、企業は「候補者」がキャリアの棚卸しを行い、「自分自身の成長と企業の成長」を両立させることができるかどうかを確認したいと考えています。
以上のように、企業が「志望動機」を確認する本当の理由は、採用後の離職率を下げるためです。重要なことなので繰り返します。
- 候補者が、本当に企業に興味を持っているかどうか?
- キャリアの棚卸しが、できているか?
- 自分自身の成長と企業の成長を、両立させることができるかどうか?
を確認するためです。
志望動機をもう少しわかりやすく分解すると以下の公式になります。
- 転職理由 +【なぜ御社なのか?】
志望動機を聞くことで、転職理由と応募した理由も確認できてしまいます。
私が面接官として質問するときも、志望動機は必ず確認しています。
直接ではないにしても、会話の中から必ず投げかけています。

志望動機を聞くことで、「なぜうちに応募したのか?すぐ辞めないか?」などの不安を面接官は解消するんです。企業が志望動機を聞く真意は、そこにあります。
志望動機のポイントは、企業研究と求人研究です。
事前に、正確な求人の情報収集をすることは、とても重要です。
会社情報は、ホームページから収集出来ますよね。
ですが、社風とか組織構成などについては、知ることは無理に近いです。
そんなときには、転職エージェントを使って情報収集するのが、効率的です。
転職エージェントは求人について、良く把握していますから適切な情報とアドバイスを受けることができます。
【採用担当解説】転職エージェント推薦での求人応募から入社までの流れ【初心者向け】
転職エージェントに登録すると、あなたの担当コンサルタントは転職活動のサポートを全力で行います。
キャリア相談に始まって、求人紹介・企業への推薦・職務経歴書の添削・、面接対策、年収交渉、円満退職のアドバイスなどをワンストップで代行してくれます。
特に大手の転職エージェントは世の中には公開されていない非公開求人を10万件程度、保有しています。
転職理由が明確になっていましたら、正しい手順で転職エージェントを使ってみましょう。
キャリアの棚卸しが志望動機で大切な理由とは?

「キャリアの棚卸し」という言葉は、自分自身を客観的に見つめ直すことを意味します。
つまり、自分自身がどのような人物で、どのような能力や強みを持っているのか、どのような職種や企業に向いているのかを自己理解することです。
キャリアの棚卸しをすることによって、自分自身が持つ能力や価値観、興味関心を明確にすることができます。
そのため、企業が「志望動機」を確認する際に、キャリアの棚卸しができているかどうかを確認するのは、候補者が自分自身を客観的に理解しているかどうかを見極めるためです。
キャリアの棚卸しができている候補者は、自分自身が何を目指しているのか、どのようなキャリアプランを描いているのかを明確に把握しているため、自分に合った職種や企業を見つけることができます。
また、キャリアの棚卸しができていると、企業が採用する人材として求める能力や人物像と自分自身の持っている能力や性格がマッチするかどうかを判断することができます。
そのため、面接での志望動機の回答が企業に受け入れられる可能性が高くなります。
キャリアの棚卸しをすることによって、自分自身の強みや弱みを明確にすることができるため、自己成長にも繋がります。
自分自身の成長と企業の成長を両立させることができる人材が、企業にとっては貴重な存在となります。
そのため、キャリアの棚卸しができている候補者は、採用される可能性が高くなるのです。
転職面接の「志望動機」回答におけるポイントとは?

自分の過去の経験やスキル、それに基づく今後のキャリアプランを明確にすることが、志望動機において重要です。
以下のポイントを考慮して回答を準備しましょう。
キャリアの棚卸しを行い、自分自身の強み・弱みを理解する
キャリアの棚卸しを行うことで、自分自身の強みや弱みを理解し、自己PRに活かすことができます。
採用担当者は、キャリアの棚卸しを行った上での志望動機を提示することで、自己理解力やキャリアビジョンを持っているかどうかを判断することができます。
自分が何をしたいのか、どのような環境で働きたいのか、何を成し遂げたいのかを明確にしておくことで、企業に対して自分自身をアピールすることができます。
会社の特徴を調べ、志望する理由を明確にする
志望する企業の特徴を把握し、その企業にどのような魅力を感じたかを具体的に述べることが大切です。
その企業にどのような貢献をできるか、どのような成長を遂げたいかなど、自分の志望動機を明確にすることで、採用担当者に自分の意思や目標を伝えることができます。
企業によって求める人物像や企業文化が異なるため、自分の志望動機を企業の特徴に合わせてアピールすることが大切です。求める人物像は、転職エージェントが把握していますので、よく聞いておきましょう。
企業研究をしっかり行い、企業が求める人物像や価値観を理解して、志望動機に盛り込むことが必要です。
企業研究は以下よりどうぞ。
業界研究は以下よりどうぞ。
企業口コミは以下よりどうぞ。
前向きな姿勢をアピールする
志望動機において、前向きな姿勢をアピールすることが大切です。
過去の失敗や挫折をどう乗り越えたか、今後どのような成長を目指しているかなど、自己改革の姿勢をアピールすることで、採用担当者に良い印象を与えることができます。
具体的な例を挙げて説明する
志望動機において、抽象的な回答よりも具体的な例を挙げて説明することが重要です。
過去の仕事での実績や成果、その企業で実現したい具体的なビジョンや目標など、自分自身の経験や目標を具体的に説明することで、採用担当者に印象を残すことができます。



