第二新卒で、失敗をおそれている人「第二新卒なので、当然転職には慣れていない。失敗するのが、いやなので、押さえておくべきポイントを知りたい。また、できればおすすめの第二新卒向け転職エージェントも知りたいな。」
こういった疑問に、採用担当の筆者がお答えします。
第二新卒の求人が多いことからもわかるように、20代の転職は売り手市場です。ですが、誰でも転職できるわけではもちろんありません。採用する企業は何を要求しているのでしょうか？転職で失敗しないためにはどうしたらよいか解説します。
- 第二新卒が、転職失敗しないための方法
- 第二新卒向けのおすすめ転職エージェントがわかる
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 採用担当経験、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
記事構成は、以下目次のとおりです。
では、一つずつ解説します。
第二新卒は売り手市場
第二新卒は、現在の転職市場において売り手市場といえます。理由はシンプルで、年齢が若く柔軟に育成できるうえ、すでに社会人経験を積んでいるからです。
【採用担当が、そっと教える】第二新卒が売り手市場の理由とは？
このように企業から見れば「即戦力」としてではなく、将来の成長を期待して採用する層が第二新卒です。
需要が高まっている背景
近年、第二新卒層を対象とした求人は増加傾向にあります。厚生労働省の調査によれば、新卒の約3割が3年以内に離職しており、企業は安定した人材確保が課題となっています。
新卒離職率の高さ
新卒採用だけでは人材の定着が難しく、若手が短期間で退職する現実があります。その補完的役割として、社会人経験のある第二新卒の需要が高まっています。
新卒で辞める人が多いって聞きますけど、実際そんなに多いんですか？
厚労省のデータでも、3年以内に3割が辞めると言われています。企業にとっては深刻な課題なんですよ。
企業の採用戦略の変化
少子化の影響もあり、新卒一括採用だけでは人材が集まりにくい状況です。そのため、社会人経験のある若手層をポテンシャル採用する動きが広がっています。
企業から見た第二新卒の強み
第二新卒は、柔軟性や吸収力があり、社会人としての基礎が備わっているため、企業にとって魅力的な存在です。
教育コストの低さ
すでに基本的なビジネスマナーや社会人経験を持っているため、新卒よりも教育コストを抑えられます。
たしかに、すでに働いた経験があると即戦力に近いんですね。
そうですね。完全な即戦力ではなくても、基礎がある分、成長が早いと期待されています。
柔軟性と成長性
キャリアの方向性が固まりきっていないため、企業の文化や仕事に馴染みやすく、長期的に育成できる可能性があります。
応募者が意識すべきリスク
一方で、第二新卒は「短期離職の印象」を持たれやすいのも事実です。そのため、退職理由と転職理由をポジティブに整理することが欠かせません。
短期離職の懸念
応募先企業から「またすぐ辞めるのではないか」と疑われるリスクがあります。だからこそ、退職理由は前向きに伝える必要があります。
キャリアプラン提示の重要性
将来どのように成長したいかを語れることが、第二新卒の大きな武器となります。面接ではキャリアの方向性を明確にしておきましょう。
【採用担当が教える】内定が決まりやすい面接での3つの共通点とは？【ヒューマンスキルが重要】
第二新卒の転職活動でも重要ポイントは、転職理由！
第二新卒の転職活動での最大のポイントは、「転職理由を明確にする」ことです。
退職理由は、どうしてもネガティブに受け取られがちだからです。
一方で、転職理由は前向きに語ることができます。その際に役立つのが「なぜなぜ分析」です。
退職理由は転職を考えるきっかけにすぎませんが、転職理由はこれからのキャリアプランそのものです。
【採用担当が徹底解説！】転職理由をなぜなぜ分析で深掘りしよう！
なぜ転職理由が重視されるのか
つまり退職理由は過去の出来事であり、転職理由は未来をどう描くかです。
採用する企業が評価するのは、当然ながら転職理由です。
退職理由はあくまでも過去のこと【転職後を深掘りすることが大切】
やっぱり企業は「これからどうしたいか」を重視するんですね…。退職理由ばかり考えていました。
そうなんです。退職理由は簡潔に、転職理由は未来を描くようにしっかり伝えることが評価につながりますよ。
転職理由はポジティブに語ること
転職理由は、ポジティブな内容にしやすいものです。
しかし、表面的な答えだと「薄い」と評価されてしまいます。
【採用担当が解説】転職理由を深掘りしないとどうなるか？【3つの弱み露呈】
スキルアップだけでは響かない理由
「スキルアップしたい」という理由は、よく聞かれるものですが抽象的すぎます。
採用担当者には響きません。
転職理由はスキルアップでよいのだろうか？【問題無だが深掘り必要】
例えば、次のように具体化することで説得力が増します。
- ○○のプロジェクトに携われる会社で働きたい
- 5年後には○○分野で社内トップを目指したい
このように具体的に描くことで、採用側も「将来の戦力」として期待できます。
なるほど…。ただ「成長したい」じゃなくて、将来像を描くのが大切なんですね。
そのとおり。面接官は「この人が将来どう成長するか」を見ていますから、ビジョンを語れる人は評価が高いですよ。
転職理由を効果的に作るコツ
転職理由を考えるコツは、退職理由を前向きに言い換えることです。
【採用担当が解説】転職面接で転職理由を聞かれたときはどうするの？【退職理由は軽めに】
ネガティブな理由を言い換える
例えば、人間関係が原因で退職した場合は「風通しの良い職場で、成果を出したい」と表現を変えられます。
【採用担当が徹底解説！】転職理由を明確にする3つの方法を【簡単に】マニュアル化！
やりたい仕事ができる場を探す
やりたい仕事の場がなかった場合は、それを転職理由として前面に押し出しましょう。
まずは退職理由をリストアップし、自分に問いかけていくことで深掘りが可能になります。
退職理由をリスト化して「なぜ？」を繰り返せば、自然と前向きな転職理由に変えられるんですね。
はい。そのプロセスが「なぜなぜ分析」です。企業でも使われている手法なので、説得力のある理由を作れますよ。
なぜなぜ分析で転職理由を深掘り
「なぜなぜ分析」とは、原因を掘り下げて解決策を見つける方法です。
企業でも活用されており、転職理由を論理的に整理するのに最適です。
この方法で作られた転職理由は、一貫性があり面接官にも響きやすくなります。
第二新卒の転職では、志望動機と転職理由に矛盾がないかが重要
第二新卒の転職活動では、「志望動機」と「転職理由」が矛盾していないことが何よりも重要です。
採用担当者は、「前職を辞めた理由」と「次に選んだ企業を志望する理由」に一貫性があるかを厳しく見ています。
ここで論理が破綻してしまうと、「またすぐに辞めるのではないか」と不安を抱かれてしまうのです。
つまり、転職理由は過去からのストーリー、志望動機は未来へのビジョン。この2つを矛盾なくつなげることで、説得力と信頼を得られます。
志望動機と転職理由をつなげる考え方
第二新卒の面接では、志望動機と転職理由を“別々に考える”のではなく、“連動させる”ことが求められます。
たとえば「営業職で成果を出したが、より企画に携わりたい」という転職理由に対して、「企画力を活かして御社の新規事業に貢献したい」と志望動機を結びつけると、非常に自然です。
反対に、「残業が多かった」「上司と合わなかった」などの理由は、ネガティブ印象を与えてしまうため避けるべきです。
一貫性のあるストーリーで“納得感”を生む
企業が見ているのは、「この人はなぜ前職を辞めて、なぜこの会社を選ぶのか」という一貫した理由です。
たとえ短期間での転職でも、志望動機と転職理由の流れが論理的であれば、評価は下がりません。
志望動機と転職理由って、やっぱり一緒に考えないといけないんですか？
その通りです。一貫性のあるストーリーは「納得感」を生みます。企業はここを最も重視していますよ。
ストーリー設計のコツ：退職理由→転職理由→志望動機
面接回答を組み立てる際は、以下の順番を意識すると論理が通ります。
- 退職理由：現職で何が課題だったのか
- 転職理由：どんな環境で成長したいか
- 志望動機：なぜその企業で実現できるのか
この流れで話すと「筋の通った印象」を与えることができます。
なるほど…。面接官が聞きたいのは“今後どうなりたいか”なんですね。
そうです。転職理由が未来に繋がっている人ほど「長く働いてくれそう」と評価されるんです。
企業研究・業界研究で志望動機を強化
第二新卒ではポテンシャル採用が中心なため、企業理解の深さが差を生みます。
「なぜその企業なのか」「どんな点に共感したのか」を具体的に語れるようにしましょう。
企業研究の基本：会社四季報と業界地図
会社四季報転職エージェントやOpenWork（オープンワーク）や
転職会議などの口コミサイトで得られる現場のリアル情報を補足するのも効果的です。
会社四季報とか業界地図って、どうやって使えばいいんでしょうか？
会社四季報では「現在の強み」、業界地図では「未来の展望」が分かります。両方を組み合わせると“今と未来”の両視点で志望動機を語れるようになりますよ。
志望動機に深みを出す“情報の肉付け”
たとえば「御社の成長性に魅力を感じました」だけでは弱いです。
「◯◯業界の中でも、御社が△△分野で安定したシェアを持ち、今後も拡大が見込める点に魅力を感じました」と具体化することで、一気に説得力が増します。
さらに「御社の〇〇事業は自分のスキルと親和性が高い」といった表現を加えると、採用担当者の共感を得やすいです。
【2025年版】転職活動の疑問解決！注目業界トップ10と避けるべき業界を徹底解説
転職理由と同様に、志望動機も前向きに！
「人間関係が悪かった」「成長できなかった」などのネガティブ理由は、そのまま伝えるとマイナス印象になります。
ですが、言い換え次第で「向上心がある人」と評価されることもあります。
ネガティブ→ポジティブ変換の例
たとえば「裁量が少なかったので退職した」を「より幅広い業務に挑戦できる環境を求めた」と言い換えるだけで、主体的で前向きな印象に変わります。
前職を辞めた理由を正直に話したらダメなんですか？
正直さは大事ですが、伝え方を工夫しないとマイナスになります。「だから次はこうしたい」という形に変えるのがポイントです。
第二新卒だからこそ「再挑戦のストーリー」を語る
第二新卒の転職は、社会人経験を活かしつつ再挑戦するチャンスでもあります。
「前職の経験で気づいた課題を、次の環境でどう克服したいか」を語ることで、成長意欲のある人材としてアピールできます。
志望動機と転職理由の整合性を保ち、ネガティブをポジティブに変える。この積み重ねが、信頼される“第二新卒の転職理由”です。
第二新卒向け転職エージェントに相談することで、悩み解決
求人のリサーチは常に続ける必要がありますが、在職しながらでは、大変かもしれません。
求人紹介だけでなく、履歴書・職務経歴書の添削、面接の想定問答、内定前の年収交渉などを行ってくれるのが、転職エージェントです。
転職エージェントに登録していれば、応募したい企業と取引きがあるかを問い合わせてみるのもよいでしょう。
コンサルタントが、新規開拓に向け動いてくれる可能性も大いにあります。
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