職務経歴書の書き方で悩んでいる人「キャリアの棚卸しをして職務経歴書を作成している。経験を活かした転職よりも未経験分野に挑戦したい。そんなときはキャリアの棚卸しをやっても職務経歴書が書けず困っている。ほかに何か手段はないのだろうか?」
こういった疑問に答えます。
本記事を読めば以下のことがわかるようになっています。
- 職務経歴書をキャリア・アンカーから書く手順がわかる。
- キャリア・アンカーとキャリアの棚卸しの違いがわかる。
とは言っても、何の根拠もなく書いているわけではありません。
この記事には以下の根拠があります。
- 筆者は採用担当者で、数多くの転職面接や書類選考を経験しています。
- 転職経験も3回ほどあり、50社以上の転職エージェントと転職サイトを利用してきました。
- 採用担当経験、そして3回の転職経験がこの記事の根拠です。
- 上記の通り。
転職活動で重要なのは良質な職務経歴書を書くことです。
キャリアの棚卸しは今までの職務経歴をリストアップしたものです。経験を活かした転職に適した方法です。
>>キャリアの棚卸しで注意すべき3つのポイント【気づかない人が多い】
今ではプライベートが重視されてきていますので、転職についても考え方が変わって来ています。
職務経歴書を書くまでの手順として、キャリア・アンカーから始める方が良い結果をもたらす場合も多いです。
なぜならば人間は仕事だけでは生きられませんから。
記事構成は以下のとおりです。
5分ほどで読める記事ですので、しばらくお付き合いください。
- キャリア・アンカーとは何か?
- キャリア・アンカーとキャリアの棚卸しとの違いは?
- キャリア・アンカーで職務経歴書を作成する新たな手順
では一つずつ解説します。
キャリア・アンカーとは何か?
そもそも、キャリア・アンカーとは何でしょうか?
読むのが面倒な方は最後だけ読んでくださいね。
Wikipediaによると、以下のように定義されています。
キャリア・アンカーとは、アメリカ合衆国の組織心理学者エドガー・シャインによって提唱された概念。
ある人物が自らのキャリアを選択する際に、最も大切な(どうしても犠牲にしたくない)価値観や欲求のこと、また、周囲が変化しても自己の内面で不動なもののことをいう。
転職する際に求人を選択すると思うんですが、知らず知らずのうちに、あなた自身が大事にしている価値観で選んでいるんですね。
【キャリア・アンカー】は周囲の環境が変化しても変わることのないあなたが大事にしている価値観や欲求のことです。
例えば『転勤をせずに働きたい』と考えることもキャリア・アンカーの一つであるといえます。
『仕事よりもプライベートが第一』というのもそうですね。
つまり「範囲としても仕事に限らず、人生に適用できる」ものです。
キャリア・アンカーは『どんな人生を生きたいか?』と同じこと。
まずライフプランを考え、その中で仕事の位置づけを決め、キャリアデザインをするんですね。
『どういう仕事をしたいか?』よりも『どうなりたいか?』を軸とする考え方です。
仕事目線で考えてしまいますと、当然今ある仕事で考えることになります。
ですが、今は特に第四次産業革命の真っ只中にいることもあり、将来なくなるかもしれない仕事で考えることは、リスクがありますよね。
「どうなりたいか?」を考えておくと、今勤めている職業がもしなくなったとしても、将来においてもあなたの価値観は変わりません。
ですので、比較的容易に軌道修正が可能です。
【キャリア・アンカー】という概念は、そのリスクを埋めるのに役立つ考え方です。
キャリア・アンカーとキャリアの棚卸しとの違いは?
それに対して「キャリアの棚卸しはあなたが過去に行ってきたことをリストアップし、整理する」作業です。
キャリアの棚卸しは徹底的に『いつどこでどんな仕事を行い、どれだけの実績をあげてきたか?』を掘り下げる作業です。
今までの職務経歴を整理することで職務経歴書が楽に書けるようになります。
キャリアの棚卸しをしっかり行う効果はまさに絶大です。
転職理由がさらに深堀りされますので、転職面接では対策は不要になります。
キャリアプランも描けますので、最終面接対策になります。
書類選考対策や転職面接対策の殆どが「キャリアの棚卸し」でクリアになります。
キャリアの棚卸しを行って効果があるのは「経験を活かした転職」の場合です。
現在の業界や職種の延長線上として「転職の軸」が決まるんです。
将来のキャリアが現在のキャリアの延長線上に形成される点で、キャリアの棚卸しはわかりやすい手法といえます。
それに対して【キャリア・アンカー】はまず『こうなりたい』という欲求があり、それを実現するために転職の軸を決めます。
アプローチが逆であることがわかりますよね?
ゴールには必要な【資源】があるはずです。
その資源は今ある資源と等しいのか?
多くの方は資源が足りないはずです。
足りない資源を埋める為に必要な勉強、トレーニングなどの訓練が必要でしょう。
キャリア・アンカーはこのようにあるべき姿に向かって努力する方法です。
夢、目標とも言えるでしょう。
キャリアの棚卸しは、下から設計するボトムアップ型のイメージです。
キャリア・アンカーは、上から設計するトップダウン型のイメージです。
こう見ていくと違いは明確です。
では職務経歴書を書く際にどうするのが良いのでしょうか?
キャリア・アンカーで職務経歴書を書く新たな手順
「キャリア・アンカー」「キャリアの棚卸し」ともに、良い職務経歴書を書く為には必要なことです。
従来は、キャリアの棚卸しで十分と言われていました。
働き方改革が進む現在は【キャリア・アンカー】を取り入れて、ライフプランから仕事の位置づけを決めた方が良いです。
これからの職務経歴書の作成手順としては以下のようになるはずです。
- キャリア・アンカーを考える(自分にとってのゴールを考える)
- キャリアの棚卸しを行う
- 職務経歴書を書く
抽象的な概念から具体的な実績へと書類を作成していくのがミソです。
キャリア・アンカーはものごとを俯瞰(ふかん)したものの見方です。
キャリアチェンジを検討している方はキャリア・アンカーという考え方は必須になります。
人生にとってもですね。
ご参考までにE.H.シャイン著の「キャリア・アンカー」をご一読いただくことをおすすめします。